「想像力」はいかに「資産」となったのか?
それは「誰のもの」なのか?
私たちの生活を取り囲み、巨大マネーマシンとなった「著作権」。
その基礎となる、「アイデア」を「所有する」という考えは、いかに生まれたのか?
本書は、無形の「アイデア」を「所有」するという著作権の基礎となる考え方が、どのように生まれ広がってきたのかを、古代ギリシアから現代までの歴史を辿り明らかにする。
さらに、20世紀後半に生み出された新たな「囲い込み」により、文化的な共有財の所有権が、ビッグテック企業などのきわめて少数の主体に独占されている現代に強い警鐘をならしている。比較文学の教授と、知財実務に詳しい弁護士のコンビが描く、文化と法制度の、これまでになかったユニークなグローバル史。
〈今日、世界最大手企業のうち六社は[…]その評価額のほとんどが著作権素材の所有と管理によって構成されている。映画や歌といったコンテンツのものもあれば(ディズニー、アマゾン)、意匠登録や特許という形であったり(アップルとマイクロソフト)、ほとんどがコンピュータ・ソフトウェアの形であったりする(アルファベット、メタ)。IP[知的財産]の帝国は、現代の封建的領地といえる。〉――本書より
【目次】
本書の註記についての註
1 著作権の意味するもの
2 古代における著作者
3 ルネサンス期イタリアにおける特許と特権
4 オーサーシップと責任
5 著作権以前の書物
6 財産はどこから来るの?
7 天才についての短い歴史
8 アン法
9 インセンティブ効果という神話
10 一八世紀フランスの作家たち
11 敗者の側
12 法の霧
13 著作権の拡大
14 著作権の獲得
15 フランスとアメリカにおける革命的な変化
16 ロマン主義と著作権
17 文学遺産
18 演劇や映画の著作権
19 一九世紀アメリカの組織化した海賊
20 国際的著作権をめざす奮闘
21 一八八六年のベルヌ条約
22 著作権が消滅しかけた時
23 炎の守り手
24 二〇世紀におけるアメリカとソビエト連邦
25 企業著作権
26 事実の所有者は誰か
27 アイデアと表現
28 あなたの顔はあなたのもの?
29 著作者人格権にできること
30 音の物語
31 一九七六年 アメリカ著作権法
32 フェア・ユース…
デイヴィッド・ベロス(著)
David Bellos
イギリス出身の学者、翻訳家、伝記作家。米国のプリンストン大学でフランス文学と比較文学の教授を務めた。2007年から2019年まで同大学の翻訳および異文化間コミュニケーション・プログラムのディレクターを務めていた。2025年、死去。
アレクサンドル・モンタギュー(著)
(Alexandre Montagu)
ニューヨーク在住の実務弁護士。知的財産法、国際商取引、ニューメディア商法および企業法を専門とするモンタギュー・ロー事務所を設立した。英語、フランス語、ペルシャ語、ドイツ語に堪能。ケンブリッジ大学、ハーバード・ロースクールに学び、プリンストン大学で特任教授として比較文学学科で教えていた。
小佐田 愛子 (コサダ アイコ)(訳)
大阪外国語大学フランス語学科卒業。過去に大阪の府立高校で英語科教諭として勤務。訳書に、バリー・シュワルツ、ケネス・シャープ『知恵――清掃員ルークは、なぜ同じ部屋を二度も掃除したのか』(アルファポリス)、レンツォ・ロッソ『一流のバカになれ!』(アチーブメント出版)、スチュアート・シャンカー『「落ち着きがない」の正体』(東洋館出版社)、クリス・ルイス『なぜ、あなたはいつも忙しくて頭がまわらないのか』(マイクロマガジン社)がある。