既存の権力に支えられ、差別を再生産する言葉。一方で、社会を触発し、変化をこじ開ける力をもつのもまた言葉である。なぜ言葉は人を傷つけることができるのか。言葉と行為の関係に迫り、言語の政治性を縦横無尽に論じる本書は、緻密な理論が政治参加になりうる可能性をも示す。バトラー初の文庫化。(解説=河野真太郎)
目次
ラウトレッジ・クラシックス版への序文
謝 辞
序 章 言葉で人を傷つけること
第一章 中傷発言、燃え広がる行為
第二章 ポルノと検閲――行為遂行性の権力
第三章 伝染する言葉――米軍の「同性愛」パラノイア
第四章 見えない検閲と身体の生産――言説的行為体の未来
注
訳者あとがき――いかにして理論で政治をおこなうか
岩波現代文庫版解説……………河野真太郎
索 引
著者
ジュディス・バトラー
Judith Butler
1956年生.カリフォルニア大学バークレー校大学院特別教授.専門は哲学,ジェンダー/クィア理論,批評理論.著書に,『ジェンダー・トラブル』(竹村和子訳,青土社),『アセンブリ』(佐藤嘉幸・清水知子訳,青土社),『問題=物質となる身体』(佐藤嘉幸監訳,竹村和子・越智博美訳,以文社)ほか多数.
竹村和子
Kazuko Takemura
1954‒2011年.元お茶の水女子大学大学院教授.専門は英語圏文学,批評理論,フェミニズム/セクシュアリティ研究.著書に『愛について』,『フェミニズム』ほか,訳書にバトラーの著作をはじめ,トリン・T. ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』(以上岩波書店)ほか多数.