

イスラエルの国家/国民の創設を問う。
近代の国民国家思想・ナショナリズムに起因する「ユダヤ人」問題、シオニズム、そしてイスラエル国家について。矛盾する理念に思想はなにを問い、なにを問わずにきたのか。ネイションの世界的展開を再考する、かつてないユダヤ‐イスラエル論。
目次
「偽日本人」と「偽ユダヤ人」―あるいは「本来的国民」の作り方
1 「イスラエル」の原点―普遍性と特異性のアポリア(ユダヤ人国家か国民国家か―二つの独立宣言;ユダヤ人国家か二民族共存か―歴史としてのバイナショナリズムの挑戦;マルティン・ブーバーの共同体論と国家;ハンナ・アーレントと国家創設のプロジェクト)
2 「イスラエル」の現在―リベラリストたちの葛藤(ハンナ・アーレントの「沈黙」;ジュディス・バトラーの「躊躇」;アイザイア・バーリンの「矛盾」;エドワード・サイードの「格闘」)
イスラエル/パレスチナにおける国家理念の行方