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思春期センサー 子どもの感度、大人の感度

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「いつメンはいるけど友達じゃない」「いつメンはインフラ」「キャラかぶりはNG」「世界中にいじめられてると知られた」……。空気を敏感に察知し友達関係に腐心、SNSに縛られる子どもたち。日常と非日常を往還し、ときに劇的な変化を見せる姿に出会ってきた臨床家がエピソード豊かに描き出す、今どきの思春期。 目次 はじめに――思春期センサーという視点   ふつうとフツー   共同体の変化   全年齢に広がる思春期心性   思春期センサーという視点   事例の紹介について Ⅰ 1章 思春期をとりまく現状から  「いつメン」と「ぼっち」  いつメン以外は異文化交流  友だちのようで友だちじゃない  学校でのインフラとしてのいつメン  さまざまな場所で起こっている二極化  旅の恥はかき捨て 2章 学校でのいつメンとネットでの親友  中学生男子の事例から  いつメンとの関係性  箱庭の表現から読み取れるもの  ネットのなかの親友と彼女  ネットのことを面接場面で語る意味  異界イメージとネット  思春期センサーと箱庭  現代の思春期とネット 3章 「解離っぽい」ことの裏側にあるもの  「解離っぽい」という切り口  保護者との関係のなかで起こる「解離っぽい」こと  こころの麻酔としての偽ストーリー  行動にこころが追いつかない  ネットとリアルの「解離っぽさ」  ゲーム人格とリアル 4章 ネットと思春期センサー  「一匹オオカミ」はもうかっこよくない  一緒にいるしかないから一緒にいる  デジタルな自由連想  ニコイチではなく、ハッコイチ  親友かどうかはわからないけれど、誰が彼氏かはわかる  多重構造のコミュニケーション  思春期心性の暴走をうながすSNS  「個人の問題」と「関係性の問題」  俯瞰から生まれる自分  自我体験の訪れ  目と耳と指先だけを使うスマホの世界  身体をしっかりと意識すること  変化の際の暴力性 Ⅱ 5章 消え去る女性のイメージ  理不尽な事件をこころに落とし込むための物語  重大事件に対する中学生の反応  ネット依存の裏側にあるもの――消え去る女性  ネットとリアルをつなぐ物語  思春期と喪失 6章 外からの力で生まれる物語  中間的なエレメント  エビデンスからこぼれ落ちるもの  主訴が語られるまで  症状の意味  暴力の侵入とリアリティ  インターフェイスに生まれる「物語」  思春期センサーがとらえた夢  変化のなかの暴力性――村上春樹の作品から 7章 私も知らない「私」の「秘密」  秘密と噓  「秘密」と人間関係  排除をめぐる傷のありか  箱庭表現の試行錯誤  触れそうで触れない距離  夢のなかの「秘密」  私も知らない「私」の「秘密」  ふたつの意味をもつ「接点」  大人のなかの思春期心性と知らなかった秘密 8章 異界につながる想像力  言葉にできないもの  西加奈子『ふくわらい』から考えられること  「見える身体」と「見えない身体」  侵襲ではなく、伝達 Ⅲ 9章 自己感覚を発見するとき 保健室のハードル  学校のなかのオアシス  ふつうのひととは違う自分  好きなものと自己感覚  「異界」へ向かう深い穴  家のなかに潜む「異界」  「異界」への感受性の喪失  一二歳の死と生と――島本理生『あなたの呼吸が止まるまで』から  進歩や成長の裏側を支えるもの 10章 思春期センサーの目盛り  センサーの目盛りの幅の違い  ネットいじめが与える傷  現代の思春期のネットとリアル  ネットから受けるダメージ  鬼の笑い――河合隼雄の解釈から  ときを待つということ  ふたつの時間――クロノスとカイロス  参考文献  初出一覧  あとがき 著者 岩宮恵子(いわみや・けいこ) 臨床心理士,公認心理師.聖心女子大学文学部卒業後,鳥取大学医学部精神神経科研究生を経て,2001年島根大学教育学部准教授.2006年同教授.2017年より島根大学人間科学部開設に伴い,同学部心理学コース教授.島根大学こころとそだちの相談センター長兼務.1995年よりスクールカウンセラーとして小・中・高校に派遣され豊富な臨床経験をもっている.京都大学博士(教育学).2025年3月をもって島根大学を退任,個人のカウンセリングルームを開設予定. 主な著書に,『生きにくい子どもたち――カウンセリング日誌から』(岩波現代文庫,2009年),『フツーの子の思春期――心理療法の現場から』(岩波書店,2009年),『好きなのにはワケがある――宮崎アニメと思春期のこころ』(ちくまプリマー新書,2013年),『思春期をめぐる冒険――心理療法と村上春樹の世界 増補版』(創元こころ文庫,2016年),『思春期心性とサブカルチャー――現代の臨床現場から見えてくるもの』(遠見書房,2024年)などがある.

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