

明るく親しみやすいイラストによる著者の自伝的グラフィックノベル。コミックが大好きでセックスには興味のないレベッカが、いじめや強迫神経症に苦しみながらも、セックスに執着する文化を乗り越えて、自分のアセクシュアルというアイデンティティを理解し受け入れていく様子を描く。
目次
1章 自分でないふり
2章 努力してみたけれど
3章 傷つけた人がいる
4章 一生ひとりぼっちでもいいの?
5章 私の恋愛
6章 私はアセクシュアル
解説 「メンタルへルスやセクシュアリティの面で、規範的な文化にハマらない」人の豊かな生(中村香住)
◆著者紹介
レベッカ・バージェス Rebecca Burgess
イギリス在住のコミック作家でイラストレーター。代名詞はthey。
HarperCollins、Jessica Kingsley、BQBといった出版社からYAと子ども向けの本を出版し、受賞作品も多い。余暇にはウェブコミックも描いている。特に自らの自閉スペクトラム症とクィアの体験を楽しく、感情を込めて伝えることに情熱を注いでいる。アセクシュアリティはレベッカの作品の多くに共通するテーマである。最近のウェブコミック『The Pauperʼs Prince』は自閉スペクトラム症の王子と平民の青年のアセクシュアルな恋愛を描いた物語。本書『私はアセクシュアル』に世界中の読者から届く数多くのメールに、レベッカは励まされ、読者と同じように、自分は一人ではないと感じている。愛猫やガールフレンドとリラックスした時間を過ごしたり、絵を描いたり、RPG(ロールプレイングゲーム)や歴史探求をしたり、ブリストルの小さな菜園で野菜を育てたりすることを楽しんでいる。
◆訳者紹介
上田勢子(うえだ・せいこ)
東京生まれ。慶應義塾大学文学部社会学科卒。1979年より米国カリフォルニア州在住。主な訳書に『イラスト版 子どもの認知行動療法』シリーズ全10巻、『LGBTQってなに?』『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて――誰にも性的魅力を感じない私たちについて』『第三の性「X」への道――男でも女でもない、ノンバイナリーとして生きる』『ノンバイナリーがわかる本――heでもsheでもない、theyたちのこと』(以上、明石書店)、『レッド――あかくてあおいクレヨンのはなし』『4歳からの性教育の絵本――コウノトリがはこんだんじゃないよ!』『8歳からの性教育の絵本――とってもわくわく!するはなし』『あなたの権利を知って使おう――子どもの権利ガイド』(以上、子どもの未来社)、『男の子をダメな大人にしないために、親のぼくができること』(平凡社)などがある。2人の息子が巣立った家に、現在は夫と1匹のネコと暮らしている。
◆解説者紹介
中村香住(なかむら・かすみ)
神奈川県生まれ。神奈川大学人間科学部非常勤助手。
博士(社会学)。専門は文化社会学、ジェンダー・セクシュアリティ研究。第三波フェミニズムの観点からメイドカフェなど日本のポピュラーカルチャーについて研究をおこなうかたわら、レズビアン・クワロマンティック当事者として“恋愛至上主義にノれないセクシュアルマイノリティ”の居場所作りにも取り組む。
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