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「ふつうのLGBT」像に抗して

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「もうLGBTなんてふつう」 って言っておけばいいと思ってない? 「ゲイコミュニティ」になじめないゲイという立場に留まることから見えてくる、うわべだけのセクシュアルマイノリティ理解を脱するための処方箋。 [目次] Ⅰ なじめない私 第1章 居場所がしんどい、現場がこわい 1 問いとしての「エスノグラフィでなさ」 2 エスノグラファーは「あとがき」に何を書くのか? 3 裏返しのヒロイズム 4 懸命にゲイにならない 5 エスノグラフィでもよかった、かもしれない 第2章 「二丁目に捨てるゴミ無し」と人は言うけれど、 1 並立する複数の「イケメン」 2 あなた好みではないけれど 3 「専」の思想 4 拒絶を包摂する 5 選べる人、とその他大勢 6 ゆるやかな滑落 第3章 ないことにされる、でもあってほしくない――「ゲイの男性性」をめぐって 1 「の」は「も」でしかないのか? 2 「ゲイの男性性」=「従属的男性性」? 3 バトラーとセジウィック 4 「ホモズ」から「イカホモ」へ 5 女の男性性 6 「ゲイの男性性」が必要、なのか? 第4章 「LGBT」が「活用」されれば満足ですか? 1 現在性と歴史性 2 ネオリベラリズムへの取り込み 3 ネオリベラリズムとは何か 4 構造的差別を腑分けする 5 潜勢力を汲み尽くす Ⅱ なじんだつもりのあなた 第5章 「最近はLGBTをテレビや映画でよく見かけるし、時代は変わったよね」 1 「ブーム」という歴史認識 2 「LGBT」≠セクシュアルマイノリティ 3 都合のよい小道具 4 描く側/描かれる側 5 「リアルなLGBT像」 6 社会的カテゴリー 7 社会反映論 8 で、本当に時代は変わったの? 第6章 「どんな見た目でもいいじゃない、LGBTの人たちみたいに」 1 「多様な性を生きる人々の見た目は多様」? 2 性別二元論の構図 3 「らしさ」をめぐる苦闘 4 「選択」の焦点 5 身体と装いの二分法 6 「見え」への還元に基づく寛容 7 見て見ぬふりに抗して 第7章 笑っても地獄、笑わなくても地獄 1 笑えない下ネタは、それでものさばる 2 下ネタペンスルール 3 真面目さは封じられる 4 消極的な共謀 5 「われわれ」と「あっち側」 6 笑わないのは織り込み済み 7 ネガ下ネタ 8 向こう岸に泳いでいかない 第8章 「何に困っているのか教えてください」 1 聞く気に満ち溢れたマジョリティ 2 私はあなたの教師ではない 3 シーライオニング 4 積極的同意 5 (望むとおりには)聞こえません 第9章 「今度はインターセクショナリティが流行ってるんだって?」 1 「流行」を正しく後押しするために 2 方針として? 性質として? 3 誤解と曲解に応答する 4 「新しい言葉」に賭けてみる おわりに [著者] 森山至貴(もりやま・のりたか) 1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻(相関社会科学コース)博士課程単位取得満期退学。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師、准教授を経て、現在同教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)、『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』『10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」』(以上、WAVE出版)などがある。 Kindle→https://amzn.to/3CLgnMS

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