チョゴリ、白菜、産着、骨……砕かれた残骸が、白く輝いていた――現代韓国最大の女性作家による最高傑作。崩壊の世紀を進む私たちの、残酷で偉大ないのちの物語。
ノーベル文学賞受賞!
ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方には、個人的には『すべての、白いものたちの』をお勧めしたいです。
詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作です
ーー岸本佐知子
『すべての、白いものたちの』は、アジア初のブッカー国際賞を受賞した『菜食主義者』(cuonから2011年に邦訳刊行)に続き、2度目のブッカー国際賞候補となったハン・ガンさんの代表作です。
詩的に凝縮された言葉で書かれた本書は、個人の痛みのむこう側に横たわる歴史的・普遍的な痛みという、著者のテーマがストレートに表れている作品です。
単行本では、造本に特別な仕様をほどこしました。『すべての、白いものたちの』物語全編に通底する「白にもさまざまな白がある」ことをコンセプトに、書籍の本文用紙にすべて異なる5種類の紙材を使用。小口側から本をながめると、色味、彩度、手ざわり、さまざまな白が存在することが見てとれます。
ぜひ手に取ってください。
著者
ハン・ガン (ハン,ガン)
1970年生まれ。韓国の作家。邦訳著書に『菜食主義者』(李箱文学賞、ブッカー賞受賞)『少年が来る』『ギリシャ語の時間』『すべての、白いものたちの』『回復する人間』『引き出しに夕方をしまっておいた』等。
斎藤 真理子 (サイトウ マリコ)
翻訳家。著書に『韓国文学の中心にあるもの』『本の栞にぶら下がる』『曇る眼鏡を拭きながら』(共著)、訳書にチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』他多数。