父の再婚で新しい母・瞳子さんと弟・晴彦と暮らすことになった、高校一年生のちぐさ。
ある日、晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇する。
「ファッション! ふつうにおしゃれでやってるんだよ! 」
「うそ! いったいブラのどこがおしゃれだっていうのよ」
「どこって……。デザインとか、形とか、おしゃれじゃん……。刺繍だって、すげえし……」
戸惑いながらも晴彦を「理解」しようとするちぐさだったが、ある言葉で傷つけてしまい――。
弟とか、男の子とか、関係ない。ただ目の前の「あなた」に向き合いたい!
ちぐさは意を決して――! ?
第2回氷室冴子青春文学賞大賞「きみのゆくえに愛を手を」を加筆・改題した表題作と、
「好き」という気持ちを貫きたい晴彦の葛藤を描く書き下ろし続編「ブラザーズ・ブルー」を収録。
繊細に、そしてまっすぐに、家族や性別を越えた新しい関係性を描く、傑作青春小説!
「相手にラベルをつけて思考停止に陥ることと、作者は全力で戦っている。
傷つけない、というズルさに、これほど自覚的な物語を私は他に知らない」
――柚木麻子さん激賞!
著者
佐原ひかり
1992年、兵庫県生まれ。大阪大学文学部卒。2017年、「ままならないきみに」で第190回コバルト短編小説新人賞を受賞。2019年、「きみのゆくえに愛を手を」で第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞。