宇宙船にのってやってきたぼくら。いっしょに乗れたのは、ママと大好きな犬のキングだけ。パパはここにいない。遠いところで、パパはどうしてるのかな・・・・・・。家族とはなればなれになってしまった2人の、少し切なくておかしな日常。自分を信じる勇気をくれる、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞作家が描く希望の絵本。
■推薦の言葉
ぼくが今、あこがれる作家がいるとしたら、まちがいなくエーヴァ!
今とこれからをきちんと描いているから。
エ-ヴァの絵にはいたずらなこどもの目線と落ちつきはらった色の配置があって、一見、静かだけど、こどもが放つそのもののエネルギーを感じるんです。
──荒井良二
宇宙船でやってきたふたりは「ぼくらはかんぺき、それしかない」「ぼくらにできないことなんてない」ときっぱり言います。元気にそう思えるとき、そんな気持ちになれないとき、そう思わなければ前を向けないとき。だれもがそんな瞬間を毎日くりかえしながら生きていることを、まっすぐに見つめてえがいた物語のような気がしています。ぼくらのことを知る手がかりも、絵の中にちりばめられています。読むたびに新しい発見があるかもしれません。
──よこのなな(訳者)
作:エーヴァ・リンドストロム Eva Lindström
絵本作家、画家。1952 年、スウェーデン中部ヴェステロース生まれ。ヴェステロース美術学校やスウェーデン国立美術工芸学校(コンストファック)で学び、コミック作家、イラストレーターとして活動。1986 年より絵本を手がけ、作品は数十冊におよぶ。2007 年から15 年にかけてスウェーデン児童書アカデミー会員。1995 年にエルサ・ベスコフ賞、2013 年にアウグスト賞、 2022 年にアストリッド・リンドグレーン記念文学賞(ALMA)受賞。
訳:よこのなな Nana Yokono
1977 年生まれ。図書館勤務などをへて、翻訳家に。訳書にフリーダ・ニルソン『ゴリランとわたし』『シーリと氷の海の海賊たち』(岩波書店)、リーヴ・ストロームクヴィスト『21 世紀の恋愛いちばん赤い薔薇が咲く』『欲望の鏡つくられた「魅力」と「理想」』(花伝社)、モンス・ムーセソン『ティムアヴィーチー・オフィシャルバイオグラフィ』(青土社)など。