わたしたちの声が、沈黙に覆い隠されないように
家父長制に対するアンチテーゼとして、父親の死体を棄てにいく小説だけを集めた文芸アンソロジー。
【仕様】B6サイズ/302ページ/フルカラーカバー
【警告】本アンソロジーは「父親の死体を棄てにいく」ことを題材としたアンソロジーであり、一部の作品には以下の描写・表現が含まれます。
暴力、家庭内暴力、性行為、性暴力
該当作品には事前に注意書きを付しています。閲覧の際にはフラッシュバック等にご注意ください。
≪収録作≫(敬称略)
●Sewing Pieces Together(落山羊)
「次のお話を探そう」とあなたがノートをめくり、わたしは首を横に振る。「探すのはお話じゃなくて、夢だ」。語られゆくいくつもの断章について。
●平成バベルの塔(マルチョウ)
時はバブル。空前絶後のタワマン建設のため、あやこは立ち退きを拒む「毒島倉庫」の説得に赴く。「毒島倉庫」の社長毒島鏡子は、呪う女として知られているが――。
●外の世界は雪(黒田八束)
二〇一九年、コロンビア。とある法が共和国大統領によって承認されたその年、死期を悟った「わたし」は行方不明の妹に向けて手紙を書きはじめる。
●いまはリビングデッド(梶つかさ)
「『リビングデッドとは、隷属する死肉である』」――研究者であるアルバが「作った」のは、特異な子どものリビングデッドだった。
●歩けよ象ども(オカワダアキナ)
ある朝あたいが目を覚ましたら、三人のパパたちはプールの中で死んでいた。あたいは、パパたちの死体をどうにかしようと奮闘し、ついには育った島を旅立つ。
●いずれフーリは地に満ちる(ピクルズジンジャー)
戦魔女のアジナは、依頼を受けかつてゲリラに占拠されていた廃村を訪れる。そこでアジナは、フーリと呼ばれるひとりの魔神の少女に出会うが。
●おお、同胞よ、父の言葉よ(孤伏澤つたゐ)
信用できないことばを喋るとされた父の死骸を棄てに、一族で一番の蛇狩りの男は飛び立つ。
【試読】 https://xfolio.jp/portfolio/K_yatsuka/works/716654
装画:タママ八月/挿絵:せん