

編者:藤井佯
著者:いとー、城輪アズサ、闇雲ねね、オザワシナコ、江古田煩人、伊島糸雨、万庭苔子、藤井佯、湊乃はと、灰都とおり、神木書房、犬山昇、玄川透(掲載順)
内容紹介:「故郷喪失」をテーマに書かれた作品を集めたアンソロジーです。「広義の故郷喪失者であること」を応募資格とした公募にて集まった全34編のうちから採用した13作品+論考1作品を掲載しています。「故郷喪失」とは一体何なのか、なぜ今それを語るのか、という問いに真摯に取り組んだ選りすぐりの作品が揃ったアンソロジーです。
“二〇二四年の一月ごろ、特定の地域を舞台とした小説の公募を目にした。
その公募には応募条件があり「その地域に住んでいた、または住んでいた
経験がある」者のみが応募できるようになっていた。そこでふと、私は自
分の故郷について書くように言われたら、すんなりと書くことができるだ
ろうかと疑問が湧いた。あまり前向きに書きたいとは思えない、というの
が率直な感想だった。それで、突然「故郷喪失」という言葉がやってきた。
午前四時のことである。私はどうしても、故郷喪失者による故郷喪失者の
ための本が読みたくなった。ないものはつくるしかなく、気がつけば応募
要項をつくりあげ、SNSで作品の応募を呼びかけていた。”(「まえがき」
より抜粋)
〈収録作〉
・いとー「あらかじめ決められた喪失者たちへ」(エッセイ)
・城輪アズサ「ロードサイド・クロスリアリティの消失」(エッセイ)
・闇雲ねね「これはあくまで私の話」(エッセイ)
・オザワシナコ「採集作業」(小説)
・江古田煩人「帰郷の旅路」(小説)
・伊島糸雨「塵巛声」(小説)
・万庭苔子「回転草(タンブルウィード)」(小説)
・藤井佯「安全で安心な場所」(エッセイ)
・湊乃はと「遺愛」(小説)
・灰都とおり「絶対思想破壊ミーム小夜渦ちゃん」(小説)
・神木書房「祝杯」(小説)
・犬山昇「壊れていくバッハ」(小説)
・玄川透「富士の雅称」(小説)
・藤井佯「あらゆる故郷に根を伸ばす̶̶なぜ故郷喪失を語るのか」(論考)
税込価格:1650円(税抜1500円)
サイズ:A6(文庫本サイズ)
ページ数:258ページ